バルセロナでの安全情報案内

安全対策情報

この「安全対策」コーナーには、安全に生活、旅行するための情報やアドバイスとして、治安情勢や主な犯罪の手口、あるいは運転する際の留意事項などを掲載しています。参考にして、楽しい滞在にして下さい。

 

 

バルセロナ日本国総領事館よりの安全対策の案内をお知らせいたします。

 

 

【安全情報】

 

1.はじめに

 

 

まずはじめに、滞在中の一般的なアドバイスを4点あげます。

 

(1) パスポート
国によってはパスポートのオリジナルの携帯を義務づけているところもありますが、スペイン国内ではコピーを持ち歩いていれば官憲にとがめられることはありません。オリジナルはホテルなどの安全な場所に保管し、外出の際はコピーを携行するよう心がけて下さい。但し、国境を越えるときはオリジナルが必要となる場合があります。
(2) 現金
日本人は多額の現金を持ち歩くと犯罪者グループは認識しています。スペインではクレジットカードでほとんどの買い物や支払いができますので、多額の現金を携行するのはできるだけ控えて下さい。
(3) 持ち物
首からカメラ、片手にはガイドブックというスタイルで歩いていれば、誰が見ても旅行者とわかります。これでは犯罪者に自分から旅行者であることをアピールしているようなものですから、極力避け、必要なとき必要なものだけ鞄から取り出すようにしましょう。
女性は、ハンドバッグにすべての貴重品を入れていることが多いため、そのバッグを盗られたら全てを失うことになってします。貴重品は分散して持つように心掛けて下さい。
また、ウエストポーチなどは、服の下に隠しておくのも一手です。
(4) タクシー
バルセロナ市内の正規タクシーは、黄色と黒のツートンカラーです。安いからと言ってそれ以外のタクシー(いわゆる白タク)を利用するのはやめましょう。

 

2.一般治安情勢

 

バルセロナの治安は全体的には良好です。しかし、旧市街地などの観光地を中心に、盗難事件などが発生していますので、注意してください。

 

(1)強盗被害
首絞め強盗を含め、強盗事件は減少傾向にあります。しかし、旧市街地ゴシック地区(カテドラル、ピカソ美術館など所在)やモンジュイックの丘(オリンピック施設、ミロ美術館所在)では、強盗事件には至らないものの、凶悪なひったくり事件が発生していますので注意が必要です。
(2)窃盗被害
バルセロナにおける盗難被害の半数は、置き引き及びスリ被害です。特に、バルセロナ空港、地下鉄及び国鉄サンツ駅では十分注意する必要があります。
旧市街地区は観光地であると同時に、ホテル、オスタル及びペンションなどが数多くあり、旅行者にとって足回りの良い場所ですが、ひったくりなどの盗難被害が多く発生している場所でもあります。できるだけ人通りの多いメインストリートを通るように心掛けるとともに、道幅の狭い裏通りを通る場合には、肩からかけているバック等を腕に抱えるなど、特に注意をして下さい。

 

3.テロ情勢

 

これまで、日本人や日系企業がテロ事件のターゲットになったことはありませんが、列車爆破などの無差別爆弾テロ事件に伴う巻き添え被害の可能性は否定できません。ETAは、無差別爆弾テロ事件を敢行する際には、事前に予告電話する傾向にあるので、日頃から、爆弾・銃撃テロのマスコミ報道には充分に関心を持ち、危険を避けるようにしてください。

 

(1)ETA(バスク祖国と自由)
治安当局の対ETA作戦により、ETA組織はかなり弱体化しているとも報じられていますが、2004年年中、35件の爆弾テロ(死者なし)をおこしており、135名のETAメンバーが逮捕されています。バルセロナ市を含むカタルーニャ州では、2001年8月以降、ETAによるテロ事件は発生していません。
(2)GRAPO(10月1日反ファシズム抵抗グループ)
スペイン国内テロ組織としてGRAPOが存在しますが、2003年中、テロ事件を起こしていません。
(3)イスラム過激派
スペインは歴史的にイスラム圏との関係が深く、北アフリカ、アラブ地域からの移民が多く流入しています。イスラム過激派メンバーも、合法、非合法に入国し、これまで主に、資金調達・洗浄、偽造パスポートの作成などの、後方支援的な活動を行ってきましたが、2004年3月11日、マドリードにおいて列車連続爆破テロを敢行しました。スペイン治安当局は、このテロ事件に関し、60名以上を逮捕し、数名を国際指名手配しています。
バルセロナ市においては、イスラム過激派によるテロ事件の発生はありませんが、テロ事件関係者として逮捕される者は多く、バルセロナ市があるカタルーニャ州で、2001年米国同時多発テロ以降約40人が逮捕されていいます。

 

4.犯罪被害

 

(1)邦人被害状況(総領事館届出ベース)
年 合計 強盗 ひったくり スリ 置き引き
2004 179件 9件 26件 41件 52件
2003 184件 7件 20件 30件 73件
2002 155件 20件 34件 19件 67件
(2)盗難被害の主な発生場所(バルセロナ市内)
カタルーニャ広場周辺、ゴシック地区(カテドラル、レイアール広場及びピカソ美術館周辺)、ラバル地区、グエル公園とサグラダ・ファミリア教会周辺、空港や駅(サンツ駅、パセオ・デ・グラシア駅、カタルーニャ駅等)などで、盗難被害が多く発生しています。
(3)主な犯罪形態とその対策
*2005年6月に開催した安全対策協議会で提供された国家警察の情報をもとに作成したものです。

 

(ア)目隠しすり
手口 新聞紙などを読みながら近づき、それを目隠しに使い、手の動きが被害者からわからないようにして、カバンやポケットから財布などを盗む。
対策 用もなく近づく者がいたら、持っているカバンを胸の前に抱える、ポケットを手で押さえる、などの防御をする。
(イ)ケチャップ泥棒
手口 ケチャップなどを用いて、洋服に染みを付け、それをとることを手伝うふりをして、カバンやポケットから財布などを盗む。(南米系の犯人が多い。)
対策 手伝いを申し出られても、無視する。染みは自分自身で落とすことを主張する。
(ウ)エスカレーター盗